水道水と環境
水道水は本当に安全?
世界で「水道水が飲める国」って、どこでしょうか?
日本の水資源(概要版)国土交通省調べ」によると、世界で日本を含めた13カ国しかないようです。
それでも「なんだかカルキ臭い…」「蛇口から赤い水が?」日本の水道水は日々、水道局によって質を高める努力 が行われていますが、まだまだ防ぎきれない問題がたくさんあるのも事実です。
一体どんな問題があるのでしょうか?
■水道水(原水)はどこからくる?
水道水は蛇口をひねれば出てくるもの。しかし、元々はどこから運ばれてきているのかご存じでしょうか?
地域によってさまざまではありますが、まずは河川やダム、そして湖といった表流水で、全体の7割を占めています。最近ではダムからくみ上げることも多くなりました。その他には伏流水や井戸水などの地下水が挙げられますが、これは少ないケースです。
ほとんどの場合が地表水を浄水場へ運び浄化・殺菌され、給水管を通って家庭にとどけられます。
■水が汚れるさまざまな原因
水質を悪くする原因にはさまざまなものがありますが、ここでは大きく3つに分けて説明をしていきます。
日本では年々、水質汚染が進んでいます。主な原因は生活排水や工場の廃液、そしてゴルフ場や耕地で使用される農薬の影響です。
そのため、浄水場では安全性を考慮し2度の塩素処理が行われています。
塩素の使用量というのは上限が設定されていないため、水が汚れていれば汚れている分だけ塩素投入が行われます。このせいで、家庭に持ち込まれる水道水への残留塩素が問題となるのです。
水道局では可能な限り、お水を無臭にすべく努力を続けています。しかしやはり完全に取り切ることは難しく、さらに活性炭の投入などが味を落とす原因にもなっています。カルキ臭の原因は先ほども挙がった塩素にあります。水道水の原水が汚れていると、水中にアンモニアが多くなります。塩素はアンモニアと結びつくことで結合塩素となり、カルキ臭の原因となります。
また地域にもよりますが、夏になるとダムや湖などに植物プランクトンが発生し、カビ臭さの原因となります。
出てくる水に色味がついている場合は、浄水場は関係なく、その間の水道管が劣化している、などの原因が考えられます。特に、赤い色になっている場合は給水管・継手金具等のサビが原因のことが多いので飲用はひかえましょう。
また、白くにごる場合は亜鉛、緑色の場合は銅等が原因が多く、口に含んでも問題はありません。
■ 身近にある水道水だからこそ理解が必要
私たちの生活に欠かせない水道水。地域の環境をきちんと把握し、生活スタイルや家族の健康を考え、どんな注意をすべきなのかをしっかり理解し、水を取り巻く美味しく安全な環境づくりを考えていきましょう